えごた湯は、上階が共同住宅となっている築45年のビル銭湯です。銭湯部分は地下に設定されており前回の改修工事から約20年ほど経過していました。改修前の施設は白を基調とした内装で照明もかなり明るめに設定されており、地下空間特有の閉鎖感を感じさせたくないという設計意図を感じました。しかし今回の改修計画では逆に「地下にある銭湯」という条件を生かす方向で設計方針を模索し、リノベーションのデザインコンセプトを「GEO銭湯」と設定しました(GEO=地球、地形、地面などの意)。銭湯を「地球内部に現れたオアシス」や「洞窟にある神聖な泉」などのイメージになぞらえ、入り口からまるで地球の内部に入っていくような、あるいは大地に包みこまれるような、独特の落ち着き感がある空間づくりを目指しました。