その価値と稀少性は一般にほとんど知られておりませんが、浴室壁の絵付けされたタイル絵は、現在では貴重な昭和のプロダクトです。「店の記憶として残したい」とのクライアント要望があり、タイル絵はそのまま残されました。このタイル絵から想起されるイメージと、日本及び東京の窓口である羽田空港、そして品川に至近であると言う地域性から「旅情銭湯」を設計コンセプトとして、日本の郷愁を感じる空間造りを目指しました。外国人や日本の観光客、都内在住の方、そして勿論近隣の方々にも日々の入浴体験を通じて、「それぞれの利用者にそれぞれの旅情を感じていただきたい」という想いが設計に込められています。