町田市にある郊外型木造銭湯のリニューアルプロジェクトです。郊外の銭湯が都心部の銭湯と大きく異なる事情は、競合店がいわゆるスーパー銭湯になるということです。このプロジェクトでは、いかにスーパー銭湯との差別化を図るか?ということが肝となり、結果として近隣スーパー銭湯とは逆の方向を指向することとしました。それはマッサージ風呂など、いわゆるレジャーアイテム設備機器が無い、シンプルで静かな温浴空間への指向です。大蔵湯の浴室は、高/中/水という温度が異なる浴槽があるのみ。設備機器の騒音が無い、静かな温浴空間を楽しむことが出来ます。また湯質にもこだわり、軟水を利用しています。湯空間と湯質をシンプルに楽しむ。銭湯らしさを残しながらも「共同温泉の外湯」のようなあり方をイメージし、設計コンセプトとしました。