「銭湯業界はあらゆる意味でマンネリ化している。他の店には無い発想の銭湯を設計してほしい」これがはじめにクライアント様から伝えられた依頼内容でした。具体的なリクエストが二点ありました。女湯側に大きな歩行浴室を設けることと、浴槽をまたがず入浴できる、立上がりの無い浴槽とするという内容でした。歩行浴槽に関しては女性の美容指向、健康志向の時代に対応し、これを改修後店の売りにするという主旨であり、また立上がりの無い浴槽形式については「バリアフリーの観点と、すっきりとした空間を指向する」という主旨からでした。この2点の施主要望を具現化するだけでも銭湯空間としてはチャレンジングかつインパクトがある空間が出来るのではないか?そのようなワクワク感とともに設計をスタートしたことを思い出します。