戸越銀座温泉は、全長1km以上の長さを誇る、関東有数の商店街「戸越銀座商店街」の中程に位置しています。新旧イメージが入り交じる、混沌とした様相を示す現代に生き残る、古くからの商店街です。どこか懐かしさを残しながら、現代~未来に更新していく都市機能という意味で、銭湯と商店街は共通します。そんな商店街のありようと空気感を新しい銭湯に取り込んだら面白いのではないか?と私は考えました。そこで現代的な空間(新)と古典的銭湯(古)の対比と融合を設計コンセプトとして、新古(シンプル)というワードに落とし込みました。例えば、古典的銭湯に見られるペンキ絵の配置位置を通常とは反対の位置に設定したり、ペンキ絵そのものを伝統的なペンキ絵師と現代的ストリート絵師によるコラボレーション作品とするなど、銭湯空間の様々な新古なエレメントを対比的表現により構成しています。