ふくの湯は「谷根千」と言われるエリアの端に立地しており、昔ながらの町並みが残るエリアです。七福神がイメージキャラクターの生活密着型商店街があり、寺社建築が非常に多いエリアでもあります。そこで設定したコンセプトは「ご利益気分な銭湯」。そこに行けばご利益を得られるような銭湯空間を目指しました。銭湯の起源は、寺が町下の住人に心身を清めるために「施浴」をしたことにはじまるという説もあるほど、お風呂と「ご利益」はとても親和性が高い。浴室は男女週替わりで、七福神にちなみそれぞれ「大黒天の湯」「弁財天の湯」と設定しています。カラフルできらびやかなデザインは、ふすま絵や欄間彫刻など多くの装飾的エッセンスが空間を彩っていた頃の日本の伝統建築をイメージの原型としています。